メンタリストDaiGo『メンタリズム禁煙法』5つの禁煙クリニック編

禁煙本

前回、メンタリストDaiGoの『メンタリズム禁煙法』の一番のミソである「科学的に正しい7つの禁煙法」(第3章)について詳しく紹介しました。

今回は「禁煙成功を支える5つのメンタルクリニック」(第4章)を中心にご紹介します。

『メンタリズム禁煙法』の5つの禁煙クリニック

前回の記事で述べたように、『メンタリズム禁煙法』の一番の柱は「CDCクイットプラン」とDaiGoさんが提唱する禁煙法を組み合わせた7つの禁煙法の中から、3つないし4つを選んで実施してもらう、第3章「科学的に正しい7つの禁煙法」で紹介されている禁煙術です。

科学的に正しい7つの禁煙法|DaiGo『メンタリズム禁煙法』
ここではメンタリストDaiGoが禁煙について書いた『メンタリズム禁煙法』をご紹介します。 『メンタリズム禁煙法』の特徴は、その強力な実践性にあります。 禁煙の実践法があり、その実践のためにデータ(根拠)が提示される、という感じで...

一方でこの第4章「禁煙成功を支える5つのメンタルクリニック」は、それを補助する細かいメンタルテクニックになります。

こちらの方はメインではないとはいえ、少し知るだけ、実践してみただけで、その高い実践性は実感できるのではないかと思います。

20秒間の先延ばし

一つ目は「20秒先延ばし」のテクニック。

これは似たような「欲求15秒継続説」を聞いたことのある人も多いと思います。人の欲求は15秒しか継続しないという説に基づいて、「喫煙欲求を感じたら15秒数える」という例のものです。

ここでも5秒長いという以外は同じで、欲求を感じた瞬間から20秒待つというテクニックですが、それと同時に「習慣化」という観点からもそれを意識することが提案されています。

つまり身に着けたい習慣的行動はそれを20秒以内でできるような環境を作り、喫煙のようにそれをやめたい習慣はそれをするまでに20秒以上時間がかかる環境を作るということです。

例えば靴箱に入れるなどして、吸うまでに20秒かかるようにすることで、自然と喫煙する瞬間を先延ばしにして欲求を軽減させることができます。

脱ヒュージョン

またこの「20秒先延ばし」テクニックの応用編として「脱ヒュージョン」という方法も提唱されています。この「ヒュージョン」はあの鳥山明の『ドラゴンボールZ』の「ヒュージョン」と同じ「融合」を意味しています。

だから「脱ヒュージョン」とは、思考と現実をヒュージョン(融合)させないことを意味します。

具体的にはドラえもんが秘密道具を取り出す時のように「タバコが吸いたい~~」と言ってみたり、戦場カメラマンの渡辺陽一さんのように「も~れ~つ~に~タ~バ~コ~が~吸~い~た~い~」と言ってみたりすると、非常に馬鹿々々しく感じて欲求が軽減されます。

喫煙欲求の数値化(点数化)

これも実践性の高いテクニックで、喫煙欲求を数値化するというもの。

この「喫煙欲求の数値化」は「吸いたい!」という気持ちの最大値を「100点」として点数化することで、喫煙欲求の推移を客観視することができます。

その点数に応じて「80点以上ならその場から立ち去る」といったルールを決めることも禁煙の助けになります。

禁煙のメリットとトラブルを書き出す

三つ目は禁煙のメリットとトラブルを書き出すこと。

またメリットについて考えて書き出すときも、単にメリットを羅列するのでなく、それがライフスタイルにもたらす肯定的な変化をなるべく鮮明にイメージします。

これは脳の「イメージと現実を区別するのが苦手」という性質を利用することによって、脳に「禁煙を達成できる!」という意識を植え付けることができます。

さらにトラブルを書き出すことで、「このトラブルを乗り越えたら禁煙達成というご褒美が手に入る」と考えることができます。

このようなメリットとトラブルの両方を書き出す二段構えのメンタルテクニックは「心理的対比」という心理学の知見を応用したものです。

「どうにでもなれ効果」の防止

四つ目のメンタルテクニックは「どうにでもなれ効果」を防止するものです。

「どうにでもなれ効果」とは、禁煙していたけれど1本だけ吸ってしまい、「もう挫折したのだから好きなだけ吸ってやれ」となってしまうように、一つの失敗で自暴自棄になってそれまで積み上げた成功のすべてを放棄してしまう効果のことです。

おそらく禁煙したことのある人は必ず一度ならず何度も経験するのではないでしょうか。

これを「どうにでもなれ効果」(The What-The-Hell Effect)と言います。

この「どうにでもなれ効果」は、目標が短期的で「~をやめる」など禁欲的なものである時に特に発動しやすく、禁煙はこの状況に完全に該当してしまいます。

しかし3つの方法でこの「どうにでもなれ効果」が発動することを防ぐことができるといいます。

長期的な目標を立てる

一つは長期的な目標を立てること。「どうにでもなれ効果」は目標が短期的な場合に発動しやすいので、反対に長期的な目標を立てるようにします。

例えば「明日から禁煙する」というだけでなく「5年後10年後もタバコを吸わない生活習慣を確立する」というイメージするようにします。

「やめる」目標を「やる」目標に変える

二つ目は「やめる」目標を「やる」目標に変えること。

例えば「タバコをやめる」という否定的イメージではなく、「タバコを吸わない日を増やし、連続されていく」という肯定的なイメージを作ります。

失敗から立ち直った回数をカウントする

これはとても大事だと思います。

失敗から立ち直った回数をカウントするということ。

禁煙に一度失敗しても、自分を責めるのではなく、そこからまた積み上げた時間をカウントすることで自己肯定感を高めモチベーションを上げることができます。

「できなかったこと」(失敗)ではなく、「できたこと」の方をカウントするということ、失敗から立ち直った自分を認識することで、「どうにでもなれ効果」の発動を防ぐことができます。

瞑想トレーニング

そして最後、五つ目のメンタルテクニックは、瞑想トレーニングです。

禁煙に失敗する時の切っ掛けとして「ストレスを感じた時につい1本」というのがありますが(そしてそこから「どうにでもなれ」と……)、瞑想はストレスを和らげて、ネガティブな感情を処理する能力を高めるという研究もあります。

『メンタリズム禁煙法』の中では、この瞑想トレーニングのやり方について具体的に解説されていて参考になります。

簡単に説明すると、5分のタイマーを仕掛け、その間呼吸に意識を集中すること(力んで集中するのでなく、ボーっと呼吸を見つめるようなイメージ)、また瞑想中に不安になった場合にも「不安になった」という事実に意識を向けると不安がフェードアウトする、といったことが説明されています。

最後に

これで一応禁煙本『メンタリズム禁煙法』の紹介は終わりにします。

『メンタリズム禁煙法』の禁煙本としての性格は、解説されるテクニックが具体的で実践的であるという点だと思います。

「他の禁煙本で禁煙にチャレンジしてみたけど挫折した」という人でも、『メンタリズム禁煙法』をまだ読んでいない場合には、お勧めできるほど、禁煙本として良質だと思います。

禁煙希望の方、まだ読んでいない場合にはメンタリストDaiGoの禁煙術を是非試してみてください。というわけで、この記事がお役に立ったなら幸いです。

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