【実践的禁煙本】メンタリストDaiGoの『メンタリズム禁煙法』

禁煙本

もしかしたら最強の禁煙本かもしれない」一読してそう思いました。

メンタリストDaiGoの『メンタリズム禁煙法』の特徴はその禁煙法の強力な実践性にあります。

この「禁煙物語」を始めていくつかの禁煙本・禁煙関係の書籍を読みましたが、そういう本はえてして期待させつつもデータ偏重であり、単純な喫煙のデメリット・禁煙のメリットを書き連ねただけの本になりがちです。

もちろんそれで禁煙できる人も中にはいるでしょうが、人間とは不合理なものですから、そうしたことがすべて分かった上でそれでもやめられない、そういう人は多いと思います。

しかしこのメンタリストDaiGoの『メンタリズム禁煙法』は違います。

まずデータに遊びがない。つまり無駄なデータがほとんどない。

たまにある禁煙本のように、タバコに関する何かしらのデータが提示される禁煙知識編と、「さあ、それでは禁煙してみましょう」という禁煙実践編が分離されているのでなく、禁煙の実践法があり、その実践のためにデータ(根拠)が提示される、という感じで、実践から離れた禁煙知識がありません

私も「禁煙物語」をはじめてから何冊も禁煙本を読みましたが、アレン・カーの『禁煙セラピー』以来の、もしかしたらそれ以上に強く推奨できる禁煙本に出会ったという印象を覚えました。

メンタリストDaiGoの『メンタリズム禁煙法』を紹介

それではその『メンタリズム禁煙法』の中身を紹介していきます。

内容の紹介は『メンタリズム禁煙法』における禁煙法のミソである「科学的に正しい7つの禁煙法」(第3章)と「禁煙成功を支える5つのメンタルクリニック」(第4章)を中心に行うことにします。

前者、「科学的に正しい7つの禁煙法」は特に『メンタリズム禁煙法』の最大のミソです。

メンタリストDaiGoの禁煙法のメインであり主柱であるといっていいでしょう。

そしてその禁煙法の特徴は「CDCクイットプラン」の重要な部分を踏襲していることにあります。

CDCクイットプランとは?

ここで多くの人には聞き慣れない言葉が出てきたと思われるでしょうが、この「CDCクイットプラン」とは何か?

CDC」とは、書中の説明によればアメリカのジョージア州アトランタにある「アメリカ疾病管理予防センター」であり、「国内外を問わず、人々の健康と安全の保護を主導することを目的とした連邦機関」です。

同機関は1946年の設立以来、喫煙と禁煙に関するデータも豊富に収集。2017年時点で「全米の18歳以上の喫煙者は人口の17%で約4000万人」といった統計データだけでなく、がんとの関連性や副流煙による間接喫煙の弊害などについても詳細な情報を発信しています。

その「アメリカ疾病管理予防センター」(CDC)が蓄積したデータに基づいて推奨している禁煙法こそが「CDCクイットプラン」です。

オランダの大学が行った実験によれば、通常29%に留まった禁煙の成功率が、「CDCクイットプラン」を用いた場合には倍の59%にもなります

つまり現時点でもっとも禁煙の成功率が高いとされているのが、この「CDCクイットプラン」だということです。

その禁煙法の特徴は、複数の禁煙方法(書中の言葉では「心理的介入」)を組み合わせることによって禁煙の成功率を高めるということにあります。

具体的には9つの禁煙法の中から3つ以上を選択して実施するということです。

『メンタリズム禁煙法』の禁煙法

そして『メンタリズム禁煙法』における禁煙法は、それにメンタリストDaiGoがさらにアレンジを加えたものです。

まず「CDCクイットプラン」の9つの項目から特に効果の高い5つの禁煙項目を抜き出し、それにDaiGo本人が推奨する2つの禁煙項目を加え、その計7つの「科学的に正しい7つの禁煙法」の中から3つないし4つの禁煙項目を選んで実施してもらいます

「科学的に正しい7つの禁煙法」

それではその7つの禁煙項目をこれから紹介していきます。

最初に紹介する5つは「CDCクイットプラン」の中から選り出されたもので、最後の2つはDaiGoが推奨しているものです。

繰り返しますが、紹介する7つはすべて実施する必要はなく、その中から自分にできそうなもの、合いそうなものを3つないし4つ選んで実施することになります。

(1)禁煙開始日を2週間後に設定

まず思い立ってすぐに禁煙するのではなく、禁煙開始日は2週間後に設定します。

これは禁煙にも準備が必要ということで、また無造作に2週間後に開始するのではなく、禁煙開始日は休日が長期休暇の初日がベストとのことです。

この禁煙開始までの2週間にタバコを連想させるアイテムをなるべく身辺から片づける、周囲に禁煙を宣言する(パブリック・コミットメント)、喫煙の切っ掛けになるような状況(例えば酒席や食後等)を認識して整理しておく、(利用して禁煙する場合には)禁煙外来で受診して禁煙補助薬をもらう、といったことをします。

(2)喫煙のトリガー(状況)を見極める

二つ目は「喫煙のトリガー(状況)を見極める」です。

喫煙者がタバコを吸ってしまう状況は、必ずしも純粋に「タバコが吸いたい」と思って吸っているのではなく、むしろその多くは「ある状況下では条件反射的に吸ってしまう」ということがほとんどです。

そのような状況を喫煙への「トリガー」(引き金・切っ掛け)として自覚することで、パブロフの犬のように自動思考的に喫煙することを避けることができます。

具体的な例としては家を出たらタバコに火をつけてしまう、昼休みになると他の喫煙者とともに喫煙所に足が向く、一人暮らしの部屋に戻ってホッとすると同時にタバコを吸う、といったものが挙げられています。

その際重要なのは本当に自分はタバコが吸いたいのか?」と自問することであり、そのことによって喫煙の大部分は欲求からではなく自動的な条件反射で吸っていることを自覚し、ほとんどの場合の喫煙が不必要であることに気づくことができるということです。

(3)喫煙リマインダーを消す

三つ目は「喫煙リマインダーを消す」。

「リマインダー」とはここでは、「それを連想させるもの」を意味しており、そのため「喫煙リマインダー」とは「喫煙・タバコを連想させるもの」をおおむね意味すると考えていいでしょう。

先ほどの「トリガー」が喫煙を誘発してしまう「状況」であるのに対し、こちらの「リマインダー」は喫煙を誘発する「アイテム・グッズ・物」として整理すると分かりやすいかもしれません。

当然「喫煙リマインダー」の代表的なものとしてタバコそのもの、灰皿、ライターといったものが挙げられます。また物だけでなく「場所」もこれに加えていいかもしれません。

もちろん自宅の布団の中でタバコを吸っていた場合には「布団は用いない」というのは難しいのですが、その代わりに徹底して掃除して香りなどの喫煙の気配・雰囲気を消します。

要は徹底してタバコ(喫煙)を思い出さない環境作りをするということです。

(4)「if then プラン」を立てる

四つ目の「if then プラン」を立てるは「もし(if)○○が起きたら、(then)行動○○をする」ということで、あらかじめタバコが吸いたいという欲求が起こった時の対応策を準備しておくということです。

これは悪い習慣を断ち切るテクニックとして特に有用であると言われています。

まず喫煙したくなるような状況を整理します。次にそれではその状況下でタバコが吸いたくなった時、代わりに何をするかを考えて準備しておきます。

例えば、朝起きて一服したくなる→すぐに顔を洗う、食事の準備をする
また、残業中に吸いたくなる→ストレッチ・背伸びをする、残業をなるべくしない

といった感じです。

そして「then プラン」はたくさんあればあるほど有効であるとされています。喫煙欲求が起こる1つの状況に対し、なるべく多くの、複数の対策を立てた方がよいということです。

(5)一気に本数をゼロにする

紙巻きタバコの有害性が知られて以来の長い禁煙論争の中でも、「急進的禁煙派」と「漸進的減煙派」の対立は有名(?)だと思います。

『メンタリズム禁煙法』では2016年のオックスフォード大の研究結果をもとに、明確に前者の「急激な禁煙」に軍配を上げています。つまり吸う本数を一気にゼロにした方がいいということです。

700人を対象にしたオックスフォード大の比較研究によれば、一気に本数をゼロにした禁煙グループの方が、1日に数本ずつ減らして禁煙したグループよりも25%も禁煙成功率が高かったそうです。

(6)薬物療法

ここまでで「CDCクイットプラン」の禁煙法は終わりで、六つ目のここからDaiGoが推奨する禁煙法になります。

六つ目の禁煙法はとてもシンプルです。「薬物療法」、要は「禁煙補助薬はやっぱり有効ということです。

禁煙補助薬は大略、下記のように分けられます。

  1. ニコチンガム・ニコチンタブレット
  2. ニコチン点鼻薬・ニコチンパッチ
  3. ニコチンを含まない飲み薬(代表はバレニクリン・商品名チャンピックス)

1・2の「ニコチンを含む禁煙補助剤」と、3の「ニコチンを含まない禁煙補助剤」、この3種に分けて書中では紹介されていますが、いずれも実験によって禁煙のための効果が確認されています

そしてここから興味深いのですが、禁煙補助剤の中でもっとも効果が高いのはどれか?ということですが、正解はバレニクリン(商品名:チャンピックス)だそうです。

また気になるデータとしてコロンビア大の研究では、1や2のニコチンを含む禁煙補助剤を使う場合、93%が半年後には禁煙に失敗している(喫煙を再開している)ということなので、なおさらバレニクリンが禁煙補助剤としての効果では一歩リードしていることになります。

しかし禁煙補助剤が高い効果を持つのはあくまでも禁煙の初期段階(64週まで)だけとも断られています。ただ禁煙のスタートダッシュではやはり高い効果が見込めるということになります。

(7)禁煙日記をつける

この七つ目はちょっと素朴過ぎて意外に感じるかもしれませんが、『メンタリズム禁煙法』では「禁煙日記をつける」ことを勧めています。

しかしこれは「うっかり吸ってしまった」ときに、その失敗を単なる失敗で終わらせないといった効果があります。

実際に禁煙してみると、意外な瞬間に自分が吸いたくなって禁煙に挫折してしまうこともありますので、なぜ吸ってしまったかを記録しておけば継続する禁煙にも備えることができます。

また興味深いことに『メンタリズム禁煙法』では「うっかり1本吸ってしまった」ことくらいは想定内の事態として対処すべきとしています。

そこで投げやりになり「もう1本吸ったんだからお終いだ」とやけになって禁煙を投げ出さないことの方がより重要だということです

最後に

あまりに長くなったので「禁煙成功を支える5つのメンタルクリニック」(第4章)については稿を改めます。

この記事の文では『メンタリズム禁煙法』の禁煙本としての説得力を伝え切れなかったかもしれませんが、気になった方は是非『メンタリズム禁煙法』を読んでみてください。

特に具体的な禁煙技術について詳しい実践的・技術的禁煙本なので、タバコと禁煙に関する認識や信念の形成のみで禁煙を実践する『禁煙セラピー』で挫折している方にはおススメです

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