禁煙を開始した時に気をつけなければならないのは食生活です。
禁煙することで食事が美味しくなり、肥満に繋がりがちだということはもちろん、喫煙の習慣とセットになった食生活に変化がない場合には、禁煙そのものが失敗しかねません。
そこで『たばこがやめられる本』(斎藤麗子)を参考に、禁煙に成功するために改善すべき食生活のポイントをまとめてみました。
禁煙のための食生活改善8か条
水分を十分にとる
禁煙時は水分を十分にとりましょう。
水分の摂取は「体内からの有害物質排出」に関係しているため、ニコチンを体内から排出するのに効果的だといわれています。
また口寂しさを誤魔化すことができるという意味でも地味ですが効果的です。
冷水や氷水なら余計に喫煙欲求を紛らわす効果がありますので、吸いたくなったら冷たいお水を飲むようにしましょう。
食事は油っこくない、さっぱりした料理を
食事はなるべくさっぱりした油っこくない、素材の味を生かした料理を取るのがいいでしょう。
油っこい料理はタバコとの相性もよく、食べた後は喫煙欲求を刺激してしまいます。
また、禁煙とともに薄味やダシの微妙な味つけが味わえるようになるので、そのバロメーターとしても薄味のさっぱりした料理を出してみるのが良いです。
野菜をとる
禁煙の成功と直接の関係はありませんが、がん予防を考えた場合には緑黄色野菜を食べるのがいいでしょう。ビタミンA、ビタミンC、食物繊維を含む食事を毎日とることで、がんの罹患率を下げることができます。
緑黄色野菜の摂取は、特に大腸がんの予防には効果的です。
出来れば腹八分
これはなかなか禁煙で食事が美味しくなる中、守るのは難しいかもしれません。
腹八分で抑えた方がいいのは、禁煙による肥満予防とともに、満腹後にたばこが吸いたくなるのを防ぐためです。
「自分の場合、あまり満腹感と喫煙欲求に関係がない」という人は、それほど気にしなくてもいいでしょうが、やはり禁煙は肥満に繋がりがちなので、必ず腹八分とまでは言わずとも、食事量は何となくでも意識するようにしましょう。
食後の一服の時の行動パターンを今までと変える
これには少し説明が必要かもしれません。またこれは、その禁煙者が今までどのように食後の喫煙をしていたかで各々答えが異なります。
例えば、そのまま食卓で灰皿を置いてタバコを吸い始めていたなら、逆に外の空気を吸いに行く方がいいでしょうし、ベランダで食後の一服を楽しんでいた人なら、家族と食卓を囲んだまま会話をする、テレビをつけるなどした方がいいでしょう。
要するに食後の一服に繋がっていた行動パターンを崩すということです。食事後にいつもと同じポジションにいないということが重要です。
ガムやアメを食べる
禁煙初期はどうしても口寂しくなるものです。
そんな時はガムやアメなどを食べて喫煙欲求をごまかすようにしてください。
ただ、このガムやアメの糖分で太る方もいるので、肥満が気になる方はシュガーレスのガム、アメ、また低カロリーのおしゃぶりこんぶなどを口にするのがいいでしょう。
しばらくはコーヒーを控える
これも気にしなくていい人と守った方がいい人が分かれるものだと思います。
コーヒーはタバコと相性がいいので、コーヒーを口にすることでタバコへの欲求が刺激され、禁煙に失敗する可能性があります。
だから今まで「コーヒーのお供といえばタバコ」「タバコのお供といえばコーヒー」という感じだった人は特に気をつける必要があります。
逆に、特にコーヒーは好きではない、滅多に飲まないという人は気にする必要はありません。
しばらくは宴会や酒の席に行かない
これもコーヒーと同様です。酒はコーヒーと同じくタバコとの相性がいいので、禁煙初期には特に遠ざけるようにしてください。
また酒席はどうしても緊張感が緩みがちです。
同僚や友人に「今日だけだよ」とか「1本だけ付き合えよ」と言われてしまうと、「まぁ1本だけなら…」と、自分自身が吸いたい欲求にかこつけて妥協してしまう可能性があります。
しかし禁煙外来の医師などが「1本だけお化け」と名付けているように、その1本が禁煙を挫折させてしまう要因になってしまいます。
酒席にはそうした危険があるので、「禁煙中だから」と正直に言うなり、「用事があるから」と適当に断わるなりして、禁煙開始当初は参加は控えるようにしましょう。
また自宅でも深酒してしまうと、「1本くらいいいか」という気になってしまうかもしれませんので、一人で呑む場合にも飲みすぎには注意しましょう。
最後に
禁煙したからといってこれらすべてを守る必要があるとは限りませんが、守った方が禁煙の成功率は格段に上がるのは間違いありません。
特に口寂しさをごまかすもの(水、ガム、アメ)を口にする、コーヒーや酒などタバコと相性のいいものは遠ざける、食後の一服に繋がるような行動パターンを崩す、このあたりは特に重要だろうと思います。
以上、この記事が少しでも参考になれば幸いです。