タイトルの通りです。
4月8日に5か月の禁を破ってタバコを吸ってしまいました。
しかしここで「もうどうにでもなれ」と思って禁煙を諦めてはいけないので、すぐに禁煙を再開しました。(「どうにでもなれ効果」については下記記事参照)
とはいえ長い間禁煙していたのに一時とはいえ挫折してしまう、というのは貴重な体験でもあります。そこでこの記事では、その禁煙失敗と禁煙の再開を、心理的な喫煙のトリガーに焦点をしぼってレポートしてみることにしました。
「喫煙のトリガー」とはメンタリストDaiGoの『メンタリズム禁煙法』から借用した言葉で、その人の喫煙欲求がどのような状況下で刺激されるかを指しています。
例えば食後、酒を飲んだ時、仕事終わりなどが挙げられますが、私の場合はあまりそうした状況下でも危うく感じることはありませんでした。
その代わり、自分がある情緒に支配されている時に喫煙したくなるという「心理的な喫煙トリガー」の存在に気づくことができました。
禁煙に失敗した理由:怒り
なぜ禁煙に失敗してしまったのか、最初の1本を吸ってしまったのかといえば、その切っ掛けは怒りに駆られて自暴自棄になったためでした。
実際に「怒り」という感情から自分が躓いたことから、私の場合、もっとも警戒すべき情緒的・心理的な喫煙のトリガーがこの「怒り」であるということが分かります。
まず1箱買って最初の1本を吸った直後、もう1本を吸いました。それでも私は別に「禁煙はやめだ」と思って吸ったわけではないので、そこですぐに禁煙を再開することを考えました。
しかしタバコはあと18本も残っています。
禁煙の仕方には色々あるでしょうが、私は手元にタバコを置いたまま禁煙できるタイプではありませんし、また余ったタバコを水に漬けるなど大胆に処分することもできません。
貧乏性なのか、どうしても「全部吸ってから禁煙を再開しよう」と考えてしまいます。
そこでしばらくは余っているタバコを吸いたくなると吸うという喫煙者の生活に戻りましたが、ここでもニコチンの依存性の凄さを実感しました。
初日は最初に吸った2本しか吸いませんでした。無理に我慢したというより、純粋にそれ以上吸いたくはならなかったためです。
しかし2日目にはもう7,8本は吸いました。そして3日目は残り全てのタバコを、それも午前中に吸い切ったのですが、その時にはもう喫煙の間隔・頻度は元通りになっていました。
思うに、この「1箱20本」というタバコの本数もタバコ会社によって考え抜かれ、喫煙に依存させるのにもっとも適した本数になっているのでしょう。
タバコが切れた初日(午後)
しかし私はここから禁煙を開始します。
禁煙は心理学的には朝に始めるのが一番いいようですので、午前中にはタバコを吸って午後から禁煙というのはあまり良くはないようです。
だからこの時の私も、午前中に当たり前のように吸っていた「勢い」みたいなものが死んでいないせいか、まだタバコを切らして数時間なのにどうにも落ち着きません。
それにこの時点ではまだはっきり「禁煙開始」と決めたというより、タバコが切れて自然に吸えなくなった感じなので、自分の吸った後のシケモクなどを集めて吸ったりしていました。
よほどもう1箱買って禁煙開始を遅らせようか悩みましたが、その誘惑には何とか打ち勝つことができました。
反省点としては、やはり禁煙は朝に開始するのが良さそうだということですね。(とはいえ、もう一度最初から禁煙をしても、私の場合は同じような感じになってしまいそうですが)
禁煙初日・2日目:自己憐憫
そしてもう自分の吸ったシケモクすら尽きましたので、翌朝から本格的に禁煙をスタートします。
数え方にもよりますが、そこからの2日を禁煙初日と2日目と数えるとすれば、初日も2日目も、同じように午前中だけタバコに対する渇望が襲ってきました。
すると、ある情緒が沸いてきて余計にその喫煙欲求を後押しします。
それは「自己憐憫」です。
私は「タバコすら吸えない自分は何て哀れなんだろう」「ここでタバコを吸わないで我慢したところで、自分にどんなご褒美が待っているというのだろうか」と思いました。そこで私は、赤ん坊に乳をあげる母親のような気持ちで、自分自身にタバコをあげたくなりました。
しかし、私はその時、「だからといって、タバコを吸うことが私の問題を解決してくれるわけではない」と思いました。そこで私は吸わずに踏み止まることができました。
不思議なことに初日・2日目ともに自己憐憫によって苦しむのは午前中だけで、午後になると楽になり、むしろ「あっさり禁煙できてる。俺ってスゲー」という謎の全能感を覚えました。
最後に:ネガティブな感情だけでなくポジティブな感情にも注意
3日目・4日目になるともう禁煙開始当初ほどの激しい喫煙欲求は感じませんでした。
まったく感じないということではもちろんないですが、さほど工夫も必要とせず、他のことをして気を紛らわせればやり過ごすことができています。
というわけで、私はこの禁煙挫折・禁煙再開の体験を通して、自分の心理的な喫煙トリガーの主要なものが「怒り」と「自己憐憫」であることに気づくことができました。
もちろん、探せば他のものも見つかるでしょうが、とりあえずもっとも警戒すべき自分の情緒を把握できたというだけでも、大きな収穫があったといえます。
また今回実体験から注目した喫煙トリガーとしての「怒り」と「自己憐憫」はともにネガティブな情緒ですが、逆にポジティブな情緒は自分の力を過信させて「1本くらい大丈夫だろう」という油断・慢心に繋がりやすいように思います。
誤解してほしくないのは、だからといってそれは「喜んでも悲しんでもいけない」ということではなく、どのような情緒を覚えている時に喫煙欲求が刺激されるかを知ることで事前に警戒すべき状況や情緒を把握した方がよい、ということです。
禁煙成功のためのヒント
以上、この記事が参考になれば幸いです。